【目指せFIRE】仕事つらい手取り18万円32歳が、投資で稼いで早期退職目指すブログ

こんにちは、きりんです。哲学・詩・瞑想などが好きな超絶内向型人間。基本人に話しかけるのが恐い。組織で働くの辛すぎて、早く仕事を辞めて半隠遁生活を送りたい。そんな不純な動機から投資で稼いで、早期退職を目指します。

河伯さん海に出会う

このところ、『荘子』という古代中国の書物を読んでいます。

今から、2000年以上も昔に書かれたようですから、大変古い本です。はじめて読むのに、なんだか懐かしいような。夜寝る前に、パンをちぎってひとかみひとかみ食べるように、ちょっとずつ読んでいます。

 

荘子』は、『ハリーポッター』や『モモ』のように、全体通して一つの物語になっているのではなくて、たくさんの短い物語やお話の寄せ集め、という格好になっています。昨晩読んだのは、「秋水編」と呼ばれる章。

 

「秋水」というのは、秋の大雨で川の水が増えることなのだそうです。

さて、中国には、黄河といって、大きな大きな河(かわ)がありますけれど、このただでさえ大変大きな河が秋水でさらに水かさを増し、あふれんばかりになりました。その河の広さと言ったら、向こう岸に居る動物が点のようになって、牛なのか馬なのか見わけがつかないくらい。

 

黄河の主である、河伯さんはこの河の大きさに大得意です。「天下の美を以てことごとく己に在りと為す__世界中のすばらしいものは、ぜんぶ、ぼくがもっているのさ!」。

 

河伯さん、大得意のいい気分で、河を東へ、また東へと下っていきました。すると、突き当たるのはどこですか。海です。びっくりした河伯さんは、恥ずかしくなってしまいました。なぜなら、全ての河の注ぐ先である海は、いくら黄河が広しと言えども、もっともっと、もっと大きかったからです。

 

ここで、北海若さんという人が登場します。北海若さんは、北の海の主です。「世界中の水で、海より大きいものはない。しかし、私はその大きさで得意になったことはない。大地をとりまくこの広大な海でさえ、天地の間にある。そう考えると、天と地の間にある、私なんてものは、大きな山にある、ちっぽけな石、やせっぽっちの木のようなもの。どうして得意になんて思えようか。じぶんのつまらなさが目に付くばかり」。

 

自分の小ささを感じると同時に、なんだか、とても大きな場所に開かれていく感じがしませんか。自分のもちものに得意になっている時は、心はその自分の「もの」でいっぱいになっています。

でも、星空を見上げている時の、あの不思議な感じ。

空に瞬く星々と、どこまでも静かにたたずむ星間のくらやみは、わたしのものではありませんし、だれのものでもありません。夜空がわたしの「手中にある」(「己に在りと為す」こと)なんて絶対になく、むしろ、わたしというちっぽけでやわらかなかたまりは、夜空の中に浮かび、夜空に浸されています。そういう世界に開かれるとき、どこかちょっと怖いような、なつかしいような、不思議なような、そんな感じがからだにやってきませんか。

 

荘子』を読んで感じる、なつかしさの一部は、この感じとも少し、つながっているような気がしています。