直観を実らせるには
〈直観〉あるいは〈閃き〉は、ある種の到来として経験される。
それはにおいと同じだ。
どこかからやってきて、痕跡を残すことなく立ち消える。
それは地に足がついていない。
「単なる思い付き」だから。現実が吟味されず無責任でもある。
しかし、直観は現実に新鮮さと変革をもたらす火種でもある。
直観にはしっかりと痕跡を残し、地に足をつけてもらおう。
たとえば直観の訪れを、〈書き止める〉〈読み返す〉といった、素朴な方法で。
そうして眼前に対象を見据えることで、直観を吟味し、部分と部分の連関を構成し、全体を一つのシステムに仕上げること。それが〈論理〉の仕事だ。
そして最終的に、具体的な〈行為〉に結びつけること。
すなわち、〈いつ、どこで、誰が、何を「する」のか〉。
直観は行為に媒介されることで、はじめて地に根差し、実りをもたらす。